shine or die!!!

無気力大学生は幸せな未来の夢を見るか?

書くことがない

Twitterも復活したしブログもあるけど書くことがない。なんならリアルの日記も書いてない。

てなわけでなんか書く。

タイトル「保健室」

 

 

「あっ、イテテテ」

 

体育の時間、サッカーをしていて膝をスッた。
「大丈夫」と同級生には伝えたが皮がむけて血がくるぶしへと流れている。
教師には「水で洗ってこい、無理すんなよ」と言われた。
水道で傷口を濡らすが思ったよりしみる。とりあえず絆創膏を貼ってもらってすぐ戻ろう。そう思っていた。

 

保健室の先生は傷薬で消毒しながら「痛みが治まったらさっさと戻りなさいね」と少しぶっきらぼうな口調で僕に話しかけてくる。


消毒が終わると「大丈夫、すぐに戻るんで」と言いながら立ち上がり勢いよくグラウンドへ戻ろうとした。が、捻ったのか足首に痛みが走る。
少し引きずりながら戻ろうとする僕を見かねて「ゆっくりしなって」と保健室の先生は言ってきた。少しぶっきらぼうに。

 

「すいません、椅子借ります」
僕はそう言って丸い椅子に座る。保健室は外に面していてグラウンドも見える。
窓からはそよ風が吹いている。カーテンがなびく。
グラウンドを眺めていると担任と目が合ったので僕は両手で「バツ」のジェスチャーをした。
担任は親指を立てる。きっと分かっているのだろう。

 

暇だ。運動音痴の比嘉は下手くそなドリブルでボールを持ちゴールへ向かう。
サッカー部の佐山はそれをニコニコしながら見守る。
いいな。俺もあの中に混ざりたい。

 

「あの……話しかけていいですか……?」
サッカーを眺めていると知らない女の子が話しかけてくる。きっと保健室登校の子だ。
話しかけながら「話しかけていいか」と尋ねてくる事からあまり話をしたことがないのだろう。
クラスどころか学年も分からない僕に話しかけてくるのも不思議だ。
「まあ、いいけど」と返した。

 

「私は……2年4組の……藤村……です……」
2年4組。俺の隣のクラスだ。
体育も3組と4組の合同で行っているから隣のクラスの事情は少しだけ分かる。
が、女子。それも不登校の子の事なんて全く分からない。
「あ、僕は2年3組の清原、よろしく」
「それで、なんで不登校なの?」
俺は思ったことをつい口走ってしまう。
デリカシーの無い言葉を彼女に投げかける。

 

あまりにもデリカシーの無さに「あ、いや、答えなくてもいいんだけど」と即座に訂正を入れた。
保健室の先生も「お前何言ってんだ」と言わんばかりにこっちを睨み威圧をかけてくる。
答えなくてもよかった質問だが藤村さんは話す。
「会話も下手くそだし……友達もいないし……なんか……どう生きたらいいのか分からなくて……」

 

いじめとかじゃない、という事が分かりホッとした。
隣のクラス、それも合同で体育を行っている4組が殺伐としている光景を見たくはない。

藤村さんが答えてから無音の時間が流れる。
静まり返った部屋の空気が苦痛になった俺は「今体育やってるの3組と4組の男子だけど、適当に特徴教えようか?」と切り出した。


「あの比嘉って奴はめちゃくちゃ運動音痴で、マット運動では前転すら出来なかったんだぜ」とか「佐山くん今めっちゃ笑顔だけど、キレたらめっちゃ怖いぞ」と知っているクラスのゴシップを藤村さんに垂れ流した。
後で本人達にバレたらボコボコに〆られるだろう。

 

最初は「そう……」くらいの相槌をうっていた藤村さんだが、話していくうちに「川原くんと小学校の時同じクラスだったんだよ」や「端っこにいるのが西山くんかな?いつも体育のときサボっているよね」と口数が増えていく。
会話も弾み、自然と笑顔も溢れていく。

 

「なんだ、話せんじゃん」とポツリと呟くと藤村さんは照れた。
保健室の先生はまたもや「お前何言ってんだ」と言わんばかりに睨んでくる。先程とは違う感情で。

 

藤村さんと話していると、授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
「先生、まだ痛み引いてないんで残ります」と言うと、「勝手にしなさい」とだけ返ってきた。
藤村さんはこっちを見て少し微笑んだ。